-ISA東京のITプロジェクトチームの役割を教えてください。
わたしたちの仕事は、投資の見込みがありそうな企業と接触し、スウェーデンとスウェーデンの技術に関心を持ってもらうことです。そういった企業の関心事やニーズを探り、スウェーデン本部のISAスタッフと共に調査を進め、スウェーデンに投資をすれば何ができるのかをはじめ、どんな企業と提携ができるのか、どういった提携形態があるのか、投資可能な新規分野は何かといった情報を提供します。
次に、これらの情報に興味を抱いた日本企業のスウェーデン訪問を手配し、その企業の目的に合ったスウェーデン企業や研究開発プロジェクトを紹介します。わたしが心がけているのは、キーとなるスウェーデンの優位点をアピールすることです。
たとえば、広帯域CDMA(WCDMA、3G規格)に関する特許の3分の1は、スウェーデン企業が所有しているのをご存知でしょうか?このことは、ただ何かを発明するだけではなく、それを業界の国際基準に合わせることができるスウェーデンの技術力、柔軟性を表していると言えます。
-これまで携わった案件のなかで、一番印象に残っているものは?
NTTドコモのケースは、多大な労力を要したビッグプロジェクトです。彼らとは3年越しのお付き合いになりました。同社はスウェーデン企業と戦略的提携を結び、ヨーロッパにおける高齢者向けのヘルスケア分野に参入する足がかりとしたのです。同プロジェクトは現在も進行中ですが、きっとよい結果がでると期待しています。
また、投資のタイプは違いますが、モバイル・インターネットキャピタルのケースも高い成果を上げました。同社はこの2年半の間に、スウェーデンの技術系企業2社に多額の投資を行いました。
-投資先としてのスウェーデンの魅力は?
スウェーデンは、IT革新の最前線を歩む国です。新しい技術が絶えず生まれてくる感じが、日本企業を引きつけるのでしょう。スウェーデンには技術と革新力があり、日本には投資と共に技術を市場に送り出す商才がある。とてもいいコンビだと思います。
実際、スウェーデンの中小ベンチャー企業が日本からの投資によって、研究開発を続けたり、新たな市場を開拓したりしたケースは多くあります。また、高い技術を持ったエンジニアを低いコストで雇えることもスウェーデンの魅力のひとつです。多くの北米企業がこの点に目を付け、スウェーデンにワイヤレス技術の研究開発センターを設立しています。
また、他の欧州市場へのアクセスが容易という地理的な利点もあります。
-IT産業におけるスウェーデンと日本を比較すると?
文化的な面では、両者はよく似ていると思います。スウェーデン人も日本人も仕事が丁寧で、納期を遵守します。スウェーデンは企業も人も概して謙虚なため、日本人の気質に合うようです。
IT業界を概観すると、スウェーデンはシステムとネットワークデザインが進んでおり、日本はハードウェアと部品で世界をリードしていると思います。
-日本の働き心地はいかがですか?
日本で、日本企業を相手に働くのは最高です。進歩的な日本のIT産業に触れ、お互いに影響を受けながらスウェーデンと日本のIT産業をつなぐという仕事は、とても面白く、刺激的です。わたしは年に5、6回スウェーデンに一時帰国するのを楽しみにしていますが、日本に戻ってくるたびに同じくらいうれしく感じるんですよ。
-ISA東京での今後の目標は?
スウェーデンへの新規投資を今年度中に4件か5件実現させ、部の目標を達成したいです。同時に、これまでのスウェーデン―日本間の関係を持続させ、より深めていきたいと思います。ここ2年ほど、日本経済は活発化し、新技術の導入に積極的になっているように感じられます。
日本企業は、既存の製品に新技術を導入することに熱心になっているようです。そういった意味で、日本のベンチャーキャピタリストにも、もっとお会いしたいですね。
-最後に、日本の投資家の皆さまへのメッセージをお願いします。
ライバルに先を越される前に、ぜひ、スウェーデンとスウェーデンの技術にご注目ください。スウェーデンは4年連続で世界第1位のIT先進国に選ばれています。わたしたちは、スウェーデンでビジネスチャンスをお探しの、あらゆる企業のお力になりたいと願っています。

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