売却益は減税、国家負債の一部返却に活用
保守党は公約実現への真摯な態度を表すため、政権を奪回するや即座に投資会社であるカーネギーの前CEO、カーリン・フォルシーク氏を国営企業民営化政策の推進役として起用しました。
この民営化政策には、今後3年間で約1500億クローナ(SEK:約2兆5000億円)の国庫収入をもたらす、またさまざまな産業に公平性を持たせるという目的があります。現時点では、まだ公表された決議事項はありませんが、国営企業の売却による収益は、減税または国家負債の一部返済のいずれか、または両方に使われることが示唆されています。
売却企業は秋の議会で票決予定
売却が予定されている国営企業は、ノルデア(銀行)、OMX(証券取引所)、SBAB(住宅モーゲージ)、ヴァーサクローナン(不動産)、ヴィン&スプリット(ワインとスピリッツ)の5社に加え、すでに一部民営化されているテリアソネラ(通信)の残り37.3パーセントの株式も売却される予定です。売却企業に関しては、この秋に開かれるスウェーデン議会で正式に票決される見通しです。
政府内ならびに中道派、穏健派のエコノミストの間では、民営化により企業同士の競争が生まれるため、必然的に運営の効率が良くなり、その結果、消費者は品質面でも価格面でもより優れたサービスを得られる、という見方が多勢を占めています。
しかし、株式の一般公開はあるのか、それとも売却先は大手機関投資家に限られるのかなどの詳しい民営化の方法に関しては、現時点ではまだ何も発表されていません。売却予定の候補である6社のうち、ノルデア、OMX、テリアソネラは株式市場に上場していますが、SBAB、ヴァーサクローナン、ヴィン&スプリットは未上場です。
国営企業化の歴史は20世紀初頭から
スウェーデン国家が重要産業を所有するようになったのには、長い歴史があります。始まりは20世紀初頭、鉄道、電気、運河建設、その他の重要なインフラ産業に政府が多大な投資を行ったこと。その後、20世紀中頃から、政府はさらに鉱業、アパレル、造船などの産業に対し、“救済”のための投資を始めました。最も長期間の“救済”となったのが、1990年の銀行危機のときで、破綻を回避するために複数の銀行が一時的に国家所有となりました。
SASやポステンも売却の有力候補
今後、2010年以降も保守党は与党の座にあると予測され、さらにいくつかの企業が国家の所有から離れることになっています。その中で特に知名度が高いのが、航空会社のSAS、エネルギー大手のヴァッテンファル(Vattenfall)、鉄道会社のSJ、そしてスウェーデン郵便局のポステンです。
売却が予定されている 国営企業
社 名 |
国家保有
割合(%) |
売上高 |
決算収支 |
(100万スウェーデンクローナ) |
ノルデア(銀行) |
19.9 |
68,253 |
29,172 |
OMX(証券取引所) |
6.6 |
3,610 |
911 |
SBAB
(住宅モーゲージ) |
100 |
1,334 |
462 |
テリアソネラ(通信) |
37.3 |
91,060 |
19,283 |
ヴァーサクローナン
(不動産) |
100 |
2,706 |
3,409 |
ヴィン&スプリット
(ワイン・スピリッツ) |
100 |
10,345 |
1,577 |
第2期 売却企業 (未決定)
アカデミスカ・ヒュース (Akademiska hus) (不動産)
グリーン・カーゴ (運輸)
レルニア (Lernia) (教育)
LKAB (鉱業)
ポステン (郵便)
SAS (航空会社)
SJ (鉄道)
スヴェアスコーグ (Sveaskog) (森林)
スヴェンスク・エクスポートクレジット (Svensk Exportkredit) (金融)
スウェロード (SweRoad) (道路建設)
テラコム (Teracom) (通信)
ヴァサレン (Vasallen) (不動産)
ヴァッテンファル (Vattenfall) (エネルギー)
ヴェナンティウス (Venantius) (モーゲージ)

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