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トーモクヒュースAB、
スウェーデンに進出後、10年を経て |
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2002.09.13 |
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スウェーデンに投資をした日本企業の成功事例として、今号では、トーモクヒュ−スABをとりあげました。約10年前に、日本市場向けの住宅部材製造会社として設立されて以来、売り上げを順調に伸ばし、当初の目的であった日本市場向けの生産だけでなく、最近ではスウェーデン国内市場向けの生産を開始するなど、スウェーデンでの事業をしっかりと根付かせました。スウェーデンのスタイルを尊重しながらも、日本の経営スタイルを持ち込む。同社立ち上げ当初から取り組んでこられた博多昭夫社長にお話を伺いました。 |
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ト−モクヒュ−スAB(本社:インショ−ン市)は、1991年に段ボール製造販売会社の株式会社トーモク(本社:東京)とその子会社のスウェーデンハウス株式会社、三菱商事の3社が出資。もともと、スウェーデンハウスの取引先であったインショーヒュース社を買収して設立されました。
874戸(1994/1995年)であった生産高は、1999/2000年には2000戸と二倍以上に増加。それに伴い、1994/1995年には1億500万SEK(※約13億2500万円)であった売上は、1999/2000年には、3億6600万SEK(※約46億1900万円)まで大幅に増えるなど躍進を続けています。2005/2006年までには生産量を毎年5000戸に拡大する計画をしています。
※1 SEK = 12.62円(2002.9.5現在)のレートで算出
スウェーデンでビジネスをする利点は?
「利点はいろいろありますが、木材業界に関してあげると、スウェーデンには、再生可能な原材料が豊富に存在することです。それから、人ですね。ここでは、有能な労働力がたやすく確保できます。またコンポーネント供給業者や下請業者との良好関係を築きやすいので、仕事がしやすいですね。」スウェーデンは、もともと豊かな森林に恵まれている国ですが、森林を持続するための管理が厳しく、このバランスの良さがスウェーデンの木材業界に対する高い評価のひとつです。
現在、同社の生産拠点は、ストックホルムの北西150 kmのダーラナ地方インシェーン市です。従業員80名を擁する、1万6000m2の工場には、自動生産ラインが3つあり、まもなく新築住宅用の窓を生産するユニットが加わる予定です。
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Tomoku Hus AB (ト−モクヒュ−ス社)
1991年、スウェ−デンのInsjöus AB(インショー
ヒュース社)を買収して設立された。
従業員数約80人(うち日本人4名) |
イェブレの新工場建設計画について
高まる需要に応えて、同社はバルト海沿岸の都市、イェブレに新工場を建設し、2004年までに操業を開始する予定です。ここには、日本向けコンテナの出荷拠点港であるイェブレ港があり、そこから日本に向けてすぐに出荷できるという利点があります。建設予定敷地は、1万5000m2で、従業員数35名、年間1000戸生産が見込まれています。2008年までには、従業員数を50名までに増やし、年間2000戸生産体制にする予定です。実は、この工場の建設候補地は、イェブレ以外に、カナダもあがっていましたが、労働コストに競争力があること、原材料の品質がユニークであることから、イェブレが最終的に選ばれました。
「イェブレに決めた理由は、原材料供給業者の良好な地域ネットワークです。そして良い港があること。これで輸送コストをかなり節減することができます。」
スウェーデン人従業員の勤務状態は?
「仕事ぶりは非常にいいですね。それぞれ独立心があります。こちらから指示されてやるのではなく、自分で仕事の目的や意義を考えて自分で行動する、そういう姿勢が身に付いています。それにほとんどのスウェーデン人は、英語ができるので、コミュニケーションをとりやすいですね。」
もっとも博多さんご自身はスウェーデン語が堪能なので、スウェーデン人従業員とのコミュニケーションは、全く問題ないようです。
失敗談などありますか?
「始めの頃、従業員は労働組合を通じて、主要な経営レベルの決済を事前に知る権利があるという、スウェーデンの法律(medbestämmande)を知らず、そのため、組合から抗議を受けたこともありました。しかしそのうちに、他のスウェーデン企業のように、組合とうまくやっていくことを学びました。今では逆に、このスウェーデンの体制の利点を認めています。強い組合は、会社と従業員との関係を良好に保つ役割を持っているのです。」
日本の経営スタイルはスウェーデン人にはどう映っているようですか?
「ほとんど抵抗なく受け入れられていますね。弊社では、スウェーデン従業員に、日本企業とほぼ同様の保証と安定を提供しています。例えば、経営状況が悪化した場合であっても、決して従業員を解雇しません。その対価として、忠誠心にあふれ勤勉な従業員を雇用できるわけです。非常に安定した労働力に満足していますよ。」
最近、ト−モクヒュ−スABでは、工場の欠員があり、募集をかけたそうですが、なんと「2名枠に対して、174名の応募」があったそうです。これもト−モクヒュ−スABが地元にしっかり根をおろしているからではないでしょうか。「もちろん、毎日がバラ色ということではありませんけどね。」と笑う博多社長ですが、これからのますますのご発展が期待できそうです。

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