- スウェーデンの電力価格の現状について教えてください。
スウェーデンの電力産業は1996年の規制緩和と国境を越えた市場の統合により、かなり厳しい価格競争を強いられています。規制緩和以前は、電力会社が発電コストに自社の利益を乗せて電力価格を割り出していました。現在の自由競争市場においてはNord
Poolとよばれる電力の市場で取引され、随時、翌24時間の電力価格が需要と供給の入札価格によって決定されます。電力供給者と需要者がスポットで価格の折り合いを決めるわけです。
- 今後10年間で電力供給バランスは現在より安定し、電力価格は下がると予測されました。
今述べたように、電力価格は需要と供給のバランスで決定されます。下の図をご覧ください。2006年以降、電力供給能力が需要をより大きく上回るようになります。それはつまり、電力価格の低下を意味します。
北欧における発電容量と需要(予測)
Production capacity and Demand in the Nordic area
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もちろん、長期予測を立てるには克服すべき不確定な要素が存在します。例えば、スウェーデンでは総発電の約50%を水力発電に頼っていますが、水力発電の能力は降雨量に大きく影響を受けます。降雨量が極端に少ない年には予備用に貯蓄されている水を使用し、それでも足りない場合は、普段は使用しない火力や天然ガスを活用します。問題は乾燥年が2年続いた場合です。前年に貯蓄水を使ってしまっているので、輸入に頼らなければなりません。いずれにしても、乾燥年には電力価格は上がります。
北欧における電力容量と需要(平年)
Capacity and Demand in the Nordic Area
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また、寒さが厳しい冬には電力の需要が平年より大幅に拡大します。このような不確定な要素に加え、今後、電力を大量に必要とする産業も引き続き増加すると考えられます。ヴァッテンファルでは以上のような点を考慮し、今後10年の発電能力の推移を以下のように予測しています。
- マルメの原子力発電所は閉鎖
- 残りの原子力発電所の発電能力は効率化により上昇
- ヨーテボリ他に天然ガス発電所を建設
- バイオマス発電所を建設
- 風力発電所を建設
- 水力発電所の建設も考慮
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結果、主に風力発電と原子力発電の効率化により、発電総能力は現在より8.6 Twh(テラワット時)増加すると予測されます。この数字は予測される需要の増加を上回ると考えられるので、先に述べた通り、将来の電力供給能力は安定し、電力価格は下がると予測されるわけです。
北欧4カ国の基本電力供給量の変化(予測)
2002年-2012年
Changes in base power 2002-2012
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*CHPおよび圧力(back-pressure)発電
**CHPまたは濃縮(condensing)として使用可能
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公平な市場競争が作り出す、生産性の向上による低価格の電力。これを長期の市場展望で予測し、それに合わせた新規設備投資によって安定したレベルに保つ努力。電力の規制緩和を早くに取り入れたスウェーデンは、新たな産業に投資する企業にとって安心かつ信頼できる市場だといえるでしょう。

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