欧州の市場が拡大するということは、スウェーデンにとってどういう意味を持つのでしょうか。スウェーデンは外国投資の受入国として競争力を持ち続けることができるでしょうか。
「欧州が統一性を強めている一方、各地域の独自性が現れてきています。つまり、単一の欧州本社よりむしろ複数の地域本社の必要性が出てきたということです。」
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「まずはもっともな疑問から」と話し始めるハムリック氏。「スウェーデンはそもそも小さすぎるかあるいは辺鄙すぎて外国投資の対象としてまともに相手にされないのでしょうか?」しかし同氏は、スウェーデンの魅力とその役割は欧州連合の拡大に伴って増加していると見ています。
「これは世界がかつて見たことのない規模での実験です。EUはとにかく大きすぎてひとつの市場としては扱えないので、新たに次のような地域が注目されているのです」。
- バルト海地域。北欧諸国やフィンランド、リトアニア、ラトビア、エストニアに加え、ポーランドとドイツの北部が含まれます。この地域は偶然にも中世のハンザ同盟にとても似ています。
- イギリス諸島
- 大陸部のドイツ語圏
- ロマンス語圏
- 東欧
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「バルト海地域はもちろん我々にとって非常に重要です。この市場は9カ国に住む約1億人で構成されます。スウェーデンはこの地域との取引で圧倒的に有利な立地条件にあります。実際、この地域を統括する事務所のうち約60パーセントがスウェーデンにあるのです」。
同氏は、欧州が統一性を強めている一方、各地域の独自性が現れてきていると見ています。つまり、単一の欧州本社よりむしろ複数の地域本社の必要性が出てきたということです。「欧州にすでに進出している日本企業に、あえてスウェーデンにも拠点を置くことをお勧めしているのは、バルト海地域は中核事務所を置くのにふさわしいところだという信念からです。中でも好ましいのはもちろんスウェーデンですが。欧州以外の国の企業は地域ごとの中核事務所を欧州全域に複数設置する必要性をますます感じるようになるでしょう」。
また投資先としてのスウェーデンの魅力を同氏は次のようにとらえています。
「スウェーデンの特定の産業には明確な競争力があり、バイオテクノロジーと医薬品の企業を含めたライフサイエンスや、ITと通信、木材と木材加工、自動車産業などの分野で、世界的に知られた企業がいくつもあります。これらをセンター・オブ・エクセレンス(中核的研究拠点)と呼んでいます。幸いなことに、これらの産業では日本の企業も非常に力を持っています」。
ISA自身も欧州での変化に対応し、EU域外でのプレゼンスを拡大しています。「欧州のほぼ全域が単一の大規模市場になりつつある中で、欧州以外の国、例えば日本や米国、カナダの経済に一段と関与を深めていくことが大事だと思います。ISAの海外事務所4カ所のうち3カ所が東京、ニューヨーク、上海にあるのは偶然ではありません」。
競争上のメリットがあるからこそ、企業はスウェーデンに引き寄せられます。「これはスウェーデンの税金や物価がすべての面で最も低いという意味ではありません。総合的に見てスウェーデンには競争上非常に有利なトータルコスト環境があるということです」。
「ふたつのことにいつも日本人は驚かれます。第一に、スウェーデンは実は聞いていたほどの高コスト国ではないこと。第二は、スウェーデンは実は世界第10位の外国投資受入国だということ。スウェーデンの人口はたった900万なのにです」。

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出所:EU2001年
※法人税ならびに労働、通信、運送・交通量の各種コストから算出 |
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出所:Mercer Sweden AB 2002年 |
「偶然にも、関西地方は経済規模の点でスウェーデンにとてもよく似ているのです。ところが、大阪には外国企業が120社しかないのに、スウェーデンには今日7,500件もの外国直接投資があります」。
今日、日本企業約130社がスウェーデンに投資しており、その数は増えつつあります。「ISAに寄せられる意見によれば、我が国への投資にとても満足している企業が圧倒的に多いようです」。
スウェーデン大使館投資部では、スウェーデンの情報をまとめた「Sweden
in Fact レポート2002」を作成しています。

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