-Yokogawa Measurement Technologies ABの概要を教えてください。
横河電機株式会社100%出資の北欧統括拠点として、2001年1月1日に設立されました。横河電機の制御機器、計測機器、情報機器という3つの製品分野の中では、計測機器部門に当たります。携帯電話の端末および携帯電話網のオペレーター企業向けに、主に研究開発・生産・保守用の計測機器を販売しています。カバーエリアは、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、ノルウェーの北欧4カ国です。
-なぜ、スウェーデンに拠点を設置されたのでしょうか?
まず、通信用の計測器を伸ばしていきたいという横河電機全体の重点施策がありました。そのためには、お客さまである通信機器メーカーの近くに拠点を置く必要があります。北欧にはエリクソン(スウェーデン)とノキア(フィンランド)という大手通信機器メーカーがあり、この2社で世界市場の5割以上を占めています。必然的に北欧に拠点を設置することになりました。フィンランドよりもスウェーデンを選んだ第一の理由は、地理的利点です。ストックホルムに拠点を置けば、北欧にある両社の全拠点に飛行機で1時間以内に行けます。
-拠点設立の際、ISAの支援はいかがでしたか?
なじみのない土地で拠点を設立するというのは、わからないことだらけで大変です。オフィスの設置場所の決定や、小さなことでは電気工事をどこにお願いするのか、家具はどこで購入するのかなど、これらをいちいち電話帳で調べていたらきりがありません。ISAには、これらオフィスを立ち上げるうえで必要なコンタクト先を紹介していただきました。おかげさまで、ビジネスの立ち上げという本来の業務に集中することができました。
-拠点設立から5年ほど経ちましたが、現在の状況はいかがですか?
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世界初の3G携帯電話保守用テスター
「VC200」。北欧発のグローバルスタン
ダードとして世界中に販売されています |
2001年の設立当初は、ITバブルのはじけた年でした。市場環境の逆風と拠点設立の大変さが重なって、一晩かけても語り尽くせないほど辛い思いをしました。現在は市場環境も回復し、システムが第2世代から第3世代、さらに3.5世代へと進化しようとしています。新しい技術が生まれる時はそれらをテストするシステムが必要になるため、測定器市場も大きく伸びます。まさしく今が、これからビジネスを伸ばしていけるかどうかの端境期ですね。
-スウェーデンでの生活はいかがでしょうか?
日本商工会議所のようなものがあり、夏の間は2週間に1回の割合で一緒にゴルフをしています。小さい組織ですので、和気あいあいとしていて楽しいですよ。冬の間は暗くて気が滅入ることが多いのですが、欧州諸国への旅行が気軽にできるので、気分転換しています。また、6歳と2歳の娘がいて、上の娘がインターナショナルスクールに通っているため、さまざまな国の人と交流ができます。娘が社会との接点になってくれているようです。
-スウェーデン進出をお考えの皆さまにメッセージをお願いします。
現在、当社は6名のコアメンバーと傘下の複数の代理店で運営していて、私以外はすべて現地採用です。給与の設定や福利厚生など、労務関係を日本人が現地の人たちに対して行うのは大きなチャレンジです。控え目なスウェーデン人は欧州の日本人と言われるそうで、確かにそういう面もありますが、根本的なところはやはり大きく違います。個人主義が進んでいるので、会社が目指す目標と、個人の多様な価値観の違いのベクトルを合わせていくことが、ビジネスの発展にも欠かせません。日本でマネージメントを行うよりも、さらにその辺りを配慮する必要があります。難しい面も多いですが、その分達成感も大きく、楽しいですよ。あと、日本商工会議所のゴルフ仲間が増えるのは大歓迎です(笑)。
-最後に、今後の抱負をお聞かせください。
スウェーデン拠点もかなり軌道に乗ってきましたので、さらに安定して成長できるような確固たる基盤を作りたいと思います。スウェーデンおよび北欧のセールスを伸ばすことももちろんですが、拠点設立当初より、ここから発信した情報やお客さまとの提携によってできた製品を、世界に展開していくという目標もありました。今、それが実現しつつあります。スウェーデン拠点発の横河ビジネスを、グローバルに展開していきたいと考えています。
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