地下鉄駅の陰気なイメージをなくし、楽しい色があふれる空間にしよう−そんな思いを抱いた芸術家たちが、公共事業として構内の装飾に携わったのが、ストックホルムの地下鉄駅です。このアイデアは、地下鉄の掘削が始まった1940年代にすでにありました。スウェーデン人が、いかに早くから芸術を大切に考えてきたかがうかがえます。
現在、ストックホルムの地下鉄駅の半分以上が彫刻、モザイク、絵画、レリーフなどの芸術品によって装飾されており、参加した芸術家は100名以上に上ります。代表的な駅をいくつかご紹介しましょう。
まずは、1975年に完成した地下鉄中央駅(T-Centralen)。さまざまな路線が交差する同駅の、広々とした構内は必見。洞窟のような岩肌をそのまま活かした壮大な壁は明るい色に塗られ、一面にブルーの大きな葉のモチーフが描かれています。1960年代に建設されたエステルマルム駅(Östermalmstorg)のテーマは、時代背景を反映して「女性、平和、環境保護」。暖色系の落ち着いた色合いの壁に、これらの分野で著名な活動家たちのポートレートが刻まれています。

王様の庭園駅
©Stockholm Visitors Board |
王様の庭園駅(Kungsträgården)の装飾は、その名の通り華麗で豪奢。同駅を飾る彫刻のいくつかは、16〜18世紀にかけて駅の上にあったスウェーデン貴族の宮殿にあったものです。ヴレーテン駅(Vreten)、アルヴィック駅(Arvik)、ハルンダ駅(Hallunda)では、彫刻家の楢葉雍氏、幸田信也氏、テキスタイル作家の田村かず子氏といった、スウェーデン在住日本人アーティストの作品を見ることができます。
ストックホルムを訪れたら、1時間以内乗り降り自由の切符で地下鉄アートめぐりをしてみるのもいいでしょう。制限時間内なら、同じ切符でバスやトラムにも乗ることができます。

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