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仕事と育児の両立を応援する
スウェーデンの保育制度
LIFE STYLE

© Helena Nimbratt
2009.12.10
スウェーデンでは、幼児は保育所に通い、学童は始業前や放課後、余暇施設に通うのが一般的です。今回は、両親が共働きのケンパス家を訪問。スウェーデンの保育制度の実際をのぞいてみました。

リーヴちゃんとヴィリアム君の姉弟は、誕生後まずはママと、その後交代したパパと一緒に家庭で1年半を過ごしました。姉のリーヴちゃんは現在3歳。人生の半分を保育所に通ったことになります。弟のヴィリアム君は1歳半。今日がまさに、パパなしで過ごす保育所デビューの日となりました。

首都ストックホルム近郊のエーケローコミューンに住む妻アニカさんと夫トゥビアスさん夫妻は、2人とも法律家です。アニカさんは、リーヴちゃんが1歳になったときに県の行政裁判所に復職。その後、トゥビアスさんが入れ替わりに休職して半年間家庭を守りました。ヴィリアム君の時は、アニカさんが16ヵ月、トゥビアスさんが2ヵ月、育児休暇を取りました。
「トゥビアスはちょうど転職したばかりだったので、期間が短くなりました」と、アニカさんが説明します。「ヴィリアムが保育所に入った最初の3日間は、パパが付き添ってくれました。この3日間は、親子が一緒に保育所という新しい環境に慣れ、ヴィリアムがこれから数年間の日常生活を共にする人たちと知り合うことができた、貴重な期間でした」

スウェーデンでは子どもが8歳を迎えるまで、両親合わせて480日間、両親保険を受け取って育児休暇を取ることができます。両親のどちらか一方の収入で生活することが可能な夫婦の場合、1週間の内2〜3日分だけ両親保険を受け取り、残りは後の長期休暇や子どもの就学時のスクーリングのために残しておくことも出来ます。
「この制度はとても複雑でわかり難いので、支払い担当機関である社会保険事務所が、申請の仕方について講習会を開いているほどなんですよ!」とアニカさんは付け加えます。

スウェーデンでは、父親や母親が働いていたり、勉強中や求職中だったり、もしくは小さな兄弟の世話で育児休暇中だったりすると、1歳から12歳までの子ども全員が保育を受ける権利を持ちます。1歳から5歳までは、保育所(ダーギスと呼ばれる)または家庭型保育所(保育ママ)に、6歳児は義務教育前の準備期間として就学前保育所に預けられます。そして、6歳以上12歳までは、始業前や放課後を学童のための余暇施設で過ごします。このような保育の費用は基本的に自治体が負担しますが、民間や共同運営の形態をとる場合もあります。

これら多様な選択肢の中で、子どもが育つ環境としては何がベストなのでしょうか? これは、非常に難しい問いです。なぜなら、子どもたちは一人ひとり、皆違うからです。大抵は保育所が最も適しているようですが、中には静かで落ち着いた家庭型保育所の方がより適している子どももいます。あるいは、親と一緒に自宅にいることを選ぶ場合もあります。この場合、1歳から3歳の子どもに限り、両親のどちらかは無税で1ヵ月最大3000クローネ(1クローネ=約13円)の在宅育児手当を受け取れます。けれどこの制度には、女性を家に閉じ込める要因になりやすいといった批判もあります。子どもの保育については、それぞれの家庭の経済状況を鑑みて選択されているのが、一般的のようです。

「トゥビアスと私は、もっと長く自宅で子育てをしたいと考えていました。けれど、子どもたちは、保育所で過ごすことによって私たちが与えてあげられないものをたくさん吸収しています。グループの中で生活することで自立心が養われ、他の子どもたちと分かち合うことを学び、自分の番を待つ忍耐力もつきます。ジャングルジムに並ぶお友達10人の代わりをすることは、私1人ではどんなに頑張ってもできませんから!」
保育所では、子どもたちは様々な経験をします。遊び、学び、休息し、食事をし、日々の生活習慣を覚え、散歩し、図書館に行き、観劇し、遠足にも出かけます。保育所は、子どもたちが安心し、周囲から啓発されて多くを学ぶ場。一定の育児プランに沿ってその活動が行われる場でなければなりません。年に数回、親と保育スタッフは対話のためのミーティングの場を持ちます。保育所は通常日中開いているものですが、夜間勤務のある親を持つ子どものための夜間保育もあります。両親は、収入に応じて1ヵ月約1200クローネを上限の目安として保育料を支払います。 ケンパス家では、リーヴちゃんには毎月最高額の1250クローネを支払っています。ヴィリアム君分には兄弟割引があり、2人分で合計月約2000クローネです。 「高いとは思いません」とアニカさんは言います。「食費や遠足代など、全て含めてこの額ですから」

LIFE STYLE
© Erika Lidén

小さな子供は、保育所に通い始めると、よく病気になることがありますが、スウェーデンでは両親には子供が病気の場合に1人の子供につき年間最高120日まで休暇を取る権利があります。トゥビアスさんとアニカさんも、互いに助けあって仕事を調整しながら子どもたちの世話をみます。どちらともがどうしても仕事を休めないときは、おばあちゃんやおじいちゃんたちが重要な助っ人として手助けします。また、叔母さんや叔父さんなどの親類が両親の代わりとして両親保険を受け取って、子どもたちの世話をすることも可能です。

スケジュールが詰まった日常生活ですが、制度と周囲からのサポートを受け、アニカさんとトゥビアスさんは育児から開放された時間を存分に楽しんでいます。アニカさんは毎週水曜日にヨガに通い、トゥビアスさんは毎週月曜日にコーラスで歌っています。

これは、眠れなかったリーヴちゃんがママを呼んで、既に眠りについていたヴィリアムが起こされて泣き始めるまでの間に、アニカさんから聞いたお話です。トゥビアスさんはコーラスに出かけていたため、アニカさんは家族生活についてのお話を中断して、一瞬ママに戻られました。

 



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