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原点はアフリカにあり
−環境問題のエキスパート、レーナ・リンダルさん |
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「スウェーデン環境ニュース」発行
ナチュラル・ステップ・ジャパン理事
レーナ・リンダル(Lena Lindahl)さん
スウェーデン生まれ。1982〜84年、京都で日本語・日本文化を学ぶ。89年に再来日し、90年から4年半、地球環境国際議員連盟「グローブ・インターナショナル」の日本事務局に勤務(93年から同連盟事務局長、総裁秘書)。95年〜99年、スウェーデン社会研究所の環境教育担当研究員として活躍。現在、執筆、講演活動、エコツアー企画などを通じてスウェーデンの環境保護活動や政策を日本で紹介する一方、外国企業向けに日本の環境政策の調査、報告活動に従事。97年1月から「スウェーデン環境ニュース」を発行。特定非営利活動法人(NPO)
ナチュラル・ステップ・ジャパン理事。
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レーナさんは、スウェーデンを訪ね、環境問題を勉強・体験するエコツアーを企画しています。次回の企画のお知らせについては9月に発表される予定です。
詳しくは、レーナさんのホームページ、もしくはこちらまでファックスかメールでご連絡ください。
Fax. 03-3422-7019
Email: VZQ11450@nifty.ne.jp
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2002.09.13 |
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日本は「着物の帯」のような国−−彼女は自身の仕事の舞台、日本をこう形容します。持続可能な社会のモデル国に向けて邁進する環境先進国スウェーデン。その活動をスウェーデンから遠く離れたここ日本で紹介することで、日本人の環境に対する意識を変えたい、ひいては将来日本を環境先進国として世界に発信したいと語るレーナ・リンダルさんの、その活動の原点に触れました。 |
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福祉先進国に加え、環境先進国としても近年世界各国から注目を浴びるようになったスウェーデン。これには、レーナさんの日本での精力的な活動も大きく影響しています。レーナさんの仕事を一言で表せば、日本における環境活動。スウェーデンの環境保全活動・政策を日本語で紹介する「スウェーデン環境ニュース」の発行(月刊)をはじめ、エコツアーの企画、環境に関する講演・執筆など、彼女の仕事は多岐にわたります。
レーナさんの活動のきっかけとなったのが、1986年に起きた旧ソ連のチェルノブイリ原発事故。放射能の被害はスウェーデンにも及び、<環境問題に国境なし>ということを痛感したといいます。「当時、私はストックホルムで日本語を教えていたのですが、この事故を訴えるデモが行われると聞いて、生徒全員に電話をして休講させてもらいました。少なくとも数千名の人がデモに参加するだろうと当然のように思っていたのですが、実際はたったの数百名。人々の環境に関する無関心さに驚くとともに、私の考え方は人とは少し違うんだ、ということを感じました」
その出来事をきっかけに、ここ日本で環境問題に取り組むようになったレーナさん。東京での生活は13年を迎えました。日本語も驚くほど達者です。なぜ日本に?「とにかく日本に憧れていました。日本の芸術・文化はすばらしい!」。行動の人レーナさんは、スウェーデン人の日本留学がまだ盛んでなかった82年に早くも来日。日本語、日本文化を勉強しながら、2年半を京都で過ごしました。「日本という国を知れば知るほど、その幅の広さ、奥の深さに魅了されていきました。スウェーデンの家具メーカー、イケア(IKEA)の製品は、シンプルで汎用性が高く、機能美に溢れていて大好きなのですが、スウェーデンをその<イケア>だとすると、日本は<着物の帯>。様々な色彩の糸で織られた美しい布地の上に、さらに刺繍などが施されたりする。その複雑で繊細な美は、日本という国をよく表していると思います」。日本人については?「日本人の<人間関係>を重んじるところを尊敬しています。一度しっかりとした関係を構築すると、長年連絡していなくても、その関係が切れるということはありません。スウェーデン人はもう少しあっさりしているかな(笑)」
2002年5月に実施されたエコツアー「持続可能なスウェーデン・ツアー2002」には、日本各地から17名が参加。スウェーデンのエコ自治体、環境教育などについて学んだ参加者全員、大満足。 |
四季があり、美しい自然がまわりに存在しながら、その自然を身近に感じていない日本人に危機感を感じたのが、日本で環境活動を始めた理由。「特に都会の人は、自然に甘えているのかもしれません。守らなくても変わらず存在し続けてくれるものとして。ゴミ対策にしても、分別回収の意味を真に理解して行っている人がどれだけいるでしょうか。自然環境が汚染されるということは、私たちが生きるために毎日摂取している水や空気、食糧が汚染されるということ。自然環境はあらゆるものの根源なのです。一人ひとりが自然をもっと身近に感じて大切に思わなければ、うわべだけの環境活動になってしまいます」
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ツアー中、通訳をするレーナさん。自身が企画するツアーの他に、各企業・自治体などが企画するエコツアーへの協力依頼も多い。 |
この危機感を思いだけで終わらせないのが、レーナさんのすごいところ。日々の環境活動はそのためにあります。現在、スウェーデンの環境への取り組みを現地で紹介するツアーを企画していますが、さらにもっと広く、日本の人たちにスウェーデンの雄大な自然に直接触れることで自然を身近に感じてもらうためのツアーも企画したいとレーナさんは考えています。「スウェーデンが優れているのは、環境教育など人に投資しているところ。日本は技術ばかりに目がいくようですが、大切なのは人の意識です」。レーナさんの現在の活動は、環境教育といえるでしょう。「現在の日本は、環境先進国だとはいえません。でもここ最近、環境問題への人々の関心が従来より少しずつではあるけれど高まっていることは確か。10年後、いや20年後には、日本は環境先進国になっているかもしれない。その歩みを見つめてきたものとして、その取り組みを世界に発信していきたい、これが私の大きな夢です」
そんなレーナさんの活動の原点には、幼い頃のアフリカでの生活があります。父親の仕事の関係で、レーナさんは子供時代の7年間をエチオピアとタンザニアで過ごしました。「野生のゾウやキリン、ライオン。圧倒されるほどの自然が広がっていました。でもその大きな自然が、ちっぽけな人間の手によっていま破壊されている。そんなことがあってはならない。あの頃の貴重な体験が、いまの自分の活動を支えているのだと思います」。大人に成長した現在の自分の目で、もう一度、アフリカの自然を見てみたいというのが、レーナさんのもっとも近々の夢だとか。

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