現在51歳のフォーグレサング氏が、初めて宇宙旅行を夢見たのは、1969年にニール・アームストロングが初めて月面に降り立つのを見たときです。しかしその当時は、自分が実際に数千人の志願者の中から、欧州宇宙機関(ESA)の宇宙飛行士プログラムのメンバーに選ばれることなど、想像もしていなかったに違いありません。
フォーグレサング氏は1996年の夏、NASAの第16期宇宙飛行士養成コースに参加しました。16期生は過去最大の人数だったため、「サーディンズ(イワシ群)」と呼ばれていたそうです。「このときのクラスメートに日本人が2人いました。野口聡一さんと毛利衛さんです。長年一緒にいる間に私は2人と親しい友人になりました」と当時を振り返ります。毛利氏は2000年に2度目の宇宙飛行を終えて日本に帰国し、それ以来会っていなかったそうですが、今年の4月にフォーグレサング氏が日本を訪れたとき、再会を果たしました。現在、毛利氏が館長を務める東京の日本科学未来館を訪れ、その夜は日本食を一緒に楽しんだそうです。
フォーグレサング氏がESAの宇宙飛行士プログラム・メンバーに選ばれてから、実際にスペースシャトルに搭乗するまで、実に14年もかかりました。しかし“待った甲斐はあった”と話します。「壮麗な地球の姿を宇宙から眺めるのは、本当に素晴らしい体験なのです」。
フォーグレサング氏のISSでの役割は、ミッションスペシャリストです。来夏の宇宙飛行は2度目になるためベテランと見なされ、今回は6ヶ月間※の訓練のみで宇宙へ飛び立ちます。新人の宇宙飛行士は、最低でも9ヶ月間の訓練が必要になります。
※フルタイムの訓練のことでパートタイムの訓練は、通常ロケット打ち上げの1年以上前から始まります。パートタイムの訓練も含めると、フォーグレサングさんの今回の訓練は約11ヶ月間となります。
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ISSでの活動の様子 |
前回の宇宙飛行で、フォーグレサング氏も作業に関わったISSの拡張工事により、2009年5月から6名の宇宙飛行士が長期滞在できるようになります。「もう一度、無重力を体験したり、船外で宇宙歩行したりするのが楽しみです」と二度目の宇宙飛行に期待をふくらませています。
また最近、地球に最も近い星である月が再び注目されていることを嬉しく感じているそうです。「月に恒久基地を建設する計画は、素晴らしいニュースだと思います。この基地ができれば、無重力状態でしかできない特別な実験も行えるからです。それに、将来的な火星への旅に備えることができるという点においても大きな意味があるのです」。
フォーグレサング氏によると、計画が順調に進めば、火星への初めての旅は2035年頃実現すると言います。現在のロケット技術では火星まで片道9か月かかりますが、より高速で効率の良いエンジンが開発され、所要時間は短縮されるとフォーグレサング氏は確信しています。「残念ながら、それに乗るのは私ではないだろうね。それまでに引退しているだろうから(笑)」。
最後に宇宙飛行士を目指す人へのアドバイスも聞いてみました。「第一に大切なのは、自然科学の分野を勉強することです。募集されるのはエンジニア、物理学者、医者です。第二に大切なのは健康であること。ほとんどの宇宙飛行士が、30〜35歳くらいのときに採用されています」。
火星への旅も夢ではない宇宙飛行士に、あなたもトライしてみませんか?


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