TCOラベルの始まりは1978年。コンピューターから発せられる電磁波により、首や肩のコリ、眼のかすみなど身体への影響が問題視され始めた頃でした。この事態を憂慮したスウェーデンの労働組合”TCO”が、傘下組織”TCO Development”を設立し、ラベル制度を発案。TCOには現在、約120万人のメンバーがいて、その60%以上が女性です。

携帯電話にもTCOラベルは適用されています © Henrik Trygg |
この制度は、人にも環境にも負担を与えない規格をIT機器に設け、合格した製品をラベルで認証するというものです。1982年から10年かけて基準を策定し、1992年にコンピューターのディスプレイ用ラベル「TCO92」を発表しました。このTCOラベルの認証を受けた最初の製品は、ノキア社のディスプレイです。
TCOラベルの目的は、健全なオフィスの環境作り、オフィスの機器購入のサポート、そして生産者に商品開発において良い影響を与えることです。製品はemission(放出物)、ergonomics(人間工学)、ecology(エコロジー)、energy(エネルギー)の分野で評価され、審査基準を満たすと、その生産者はTCOラベルを購入して、製品に貼付することができます。
審査はTCO Developmentから独立したラボでのテスト、仕様書などの文書の調査のほか、実際に使用してチェックするなど、あらゆる角度から実施されています。審査に合格した製品は、その後も審査をパスした製品と同様のものが生産されているのかを確認するため、追跡調査も行われます。生産者がラベル購入のために支払った代金は、TCOラベルの新しい基準の策定やプロモーション、ユーザーへの提案などに使用されています。
TCOラベルの審査基準は、製品の発展とともに見直され、改善されています。例えばディスプレイ向けラベル「TCO92」は、電磁波と消費電力の削減が審査対象でした。しかしその後策定されたラベル「TCO03」は、消費電力の大幅な削減、画質、色の再現性、電磁波、生産、リサイクルの工程で環境に与える影響までがその審査対象となっています。現在、TCOラベルは全部で11種類あり、コンピューター関連機器ではディスプレイ、ビデオディスプレイ、デスクトップパソコン、ノートパソコン、キーボードの各製品ごとにあります。ほかにもプリンター、ヘッドセット(マイクロフォンを一体化したヘッドフォン)、携帯電話、イスやテーブルなどのオフィス家具などもTCOラベルの対象になっています。最も広範囲で使われているのがディスプレイ向けラベルで、現在世界に出回っている約50%のディスプレイにTCOラベルが貼付されています。
欧州や北米では、TCOラベルが貼付されたIT機器は優良であるという認識が、すでに確立されています。企業がコンピューター関連機器などを購入する際、TCOラベルを指標にするケースが増えていて、生産者もTCOラベルの基準を満たす製品の開発に注力し始めています。TCOラベルの活動は、人の健康や環境に配慮したIT製品使用の推進のみならず、開発においても多大に寄与しているのです。


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