その美しさからしばしば『北のベニス』とも表現される、バルト海の海岸線の都市ストックホルム。都市部の10パーセントを水が占めるストックホルムには湖や川が多く、それらは市民にとって絶好の行楽地となっています。市民の95パーセントが緑地から300メートル以内の地域に住んでおり、こうした豊かな自然の存在が市民の環境意識をはぐくんだのかもしれません。
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バイオ燃料のブリケット(加工薪)
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2006年、ストックホルムの市議会は水質保護計画を採用し、それを達成するためのアウトラインを決めました。最終的な目的は、湖や川などの行楽地としての価値を保ったまま、2015年までにストックホルム内外のすべての水がEUの水質環境基準を満たすことにあります。
またストックホルムは、2050年までに化石燃料の使用をゼロにするという大きな目標「Fossil Fuel Free City」を掲げています。80万人弱の人口を抱えるこの都市は、1990年から2005年の間に、CO2換算排出量を市民1人あたり約25パーセント、5.3トンから4トンに削減することに成功しました。これは、スウェーデンの全国平均の約半分です。公共機関は2010年までに再生可能なエネルギーに移行する計画で、現在、ストックホルム市内を走るバスの半数以上が、バイオ燃料を利用しています。
ストックホルムのゴミのリサイクル率は95パーセントという高レベルにあります。70年代に導入されたゴミ分別は市民生活にすっかり定着しており、ゴミの燃焼によって生じるエネルギーのほとんどは暖房および発電に使われています。ストックホルムの市民にとって、ゴミは「ゴミ」ではなく、再利用できる「資源」なのです。
こうした環境問題に対する取り組みを支えているのが、クリーンテックと呼ばれる、再生可能な資源を活用するさまざまな技術・製品・サービスを提供する企業の存在です。ストックホルム周辺には、バイオ燃料や水力エネルギー、廃棄物処理など、3500社を超えるクリーンテック企業があります。ストックホルムは、経済発展という点で研究開発に投資したり、ベンチャー育成を支援したりしています。
市民の環境意識や取り組みをほかの都市にも伝え、啓蒙しているのも、欧州環境都市ストックホルムならではの活動と言えるでしょう。欧州委員会の環境コミッショナー、スタブロス・ディマス氏は、ストックホルムとハンブルクが欧州環境都市賞に選出された際に「環境と生活の質を優先させようとする、ストックホルムとハンブルクの努力を称えます」と述べました。


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