取締役会代表法が1987年に修正されて法律として制定されたとき、スウェーデン中の労働組合が、画期的な法律として大歓迎しました。自分が勤める会社が何かを決定する際、その経緯を観察して決議に参加する法的な権利を労働者側が得ることができたからです。
スウェーデンでは労働組合の加入率が非常に高く、ほとんどの企業で組合員比率が90%以上であるため、労働組合は大きな力を持っています。そのような状態の中、雇用側と組合側は、徐々に双方にとって最も有益な方法を探るようになりました。
しかし1970年代の初頭に、労働組合と社会民主党政府の内部から、この暗黙の同意を実際に法的効力のある法律にしようという動きが生まれたとき、雇用者側から激しい非難の声が上がりました。そして何年にも及ぶ白熱した議論の末、1982年に労働者側の決議への参加と取締役会入りを定めた法律が制定されたのです。
この法律には、25名以上の従業員を擁するすべての株式会社、銀行、保険会社、経済団体において、従業員は2名の代表者を取締役会に参加させる権利を有すると記されています。1,000名以上の従業員がいる会社であれば、代表者の数は3名に増えます。スウェーデンの企業における取締役会の平均的な人数は7名で、そのうちの2名が従業員の代表ということになります。従業員は組合を通して代表者を選出し、選ばれた人は最長で4年間代表を務めることができます。この代表者を解任する権利は、組合だけにあります。
従業員の代表者は、ほかの取締役会のメンバーたちと同等に扱われますが、権限には少々制限があります。例えば、会社と組合との団体交渉の合意に関わる決議には参加はできません。また、組合組織にとって物理的な利益があり、それが会社の利益と相反する場合も関わることができません。
取締役会代表法の長所は明白です。従業員が会社のことをより深く知るようになれば、労働意欲は向上し、経営に対する興味が高まり、そして会社の利益と考えられることに優先順位を置くようになるからです。その一方、従業員が取締役会に参加することで一種の“人質状態”が生まれ、結果的に労働組合の活動の自由が損なわれるという指摘もあります。また、雇用者側と労働者側の境界線が薄くなると指摘する組合員もいます。
しかしある調査によると、1987年に修正されて施行されたこの法律により、国全体としてのスウェーデン労働組合の権力と影響力は少々弱まりましたが、それぞれの職場における労働組合の活動は活性化しています 。


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