IDAは2001年の設立以来、ダーラナ地域へ外国投資家を誘致し、ビジネス・セッティングのサポートを行っています。ダーラナ地域には、鉄鋼業、映像制作、ツーリズム、林業などのクラスターがあります。こうしたクラスターでは、企業と公共機関が密接に連携を取り、当地域が有する経験や優位性を活かしつつ、さらなる産業の拡大・成長に貢献しています。

スウェーデンの鉄鋼業は、初期の構造変革やニッチな戦略が功を奏して、その製鉄技術は世界クラスにまで発達しています。中でも、ダーラナ地域の鉄鋼業は歴史があり、最先端技術を誇る製鉄所、鉄鋼メーカーが当地域に拠点を置いています。その鍛造性と硬度で当地域の製鉄は高く評価されており、世界中の製造業に重要な原材料を供給しています。また、鉄鋼分野の研究・教育も進んでいます。

映像制作もダーラナ地域の特色ある産業のひとつです。スチール写真や動画の制作、展示・上映、保存まで幅広く行われています。フィルム、写真、テレビ、ビデオ、コンピュータグラフィックス、3Dアニメーション、広告などの分野で多数の中小企業が事業を展開しています。ダーラナ地域のミュージアムが所有する写真やフィルムのデータベース作成、それらの作品の修復、保存などの事業、歴史文化遺産の映像化を行っている企業もあります。また、ダーラナ大学、デジタルインタープリテーション・センター（Centre for Digital Interpretation）、ダーラナ・フィルム（Film in Dalarna）、国立映像保存センター（National Film Preservation Centre）等が、文化遺産を扱うミュージアムや機関の資料のデジタル制作をサポートするなど、当地域の映像産業に優位性を付加し、資源の提供に貢献しています。

ダーラナ地域の66%は森林地帯で、6300もの湖が点在しており、スウェーデンの中でも3番目に観光客が多い地域です。世界的に見ても急速に成長を遂げている観光業ですが、ダーラナ地域には長いツーリズムの歴史と実績があります。その自然の美しさ、郷土色豊かな地域性、夏季、冬季を問わず幅広く充実したアクティビティを楽しむことができます。ファールンの世界遺産、シリアン湖（Lake Siljan）地域、ベリスラーゲン（Bergslagen）の歴史ある産業がつくる景観、そしてスウェーデンの最南端に連なる山脈などが、国内外からの観光客を魅了しています。また、観光業に関連して、国際会議やトレードショーなどのイベント開催に不可欠な建築、機械、施設、通信、工芸、ツーリストオフィス、予約代行、飲食などの産業も充実しています。

林業はダーラナ地域の最も重要な資源であり、高品質な木材を生産しています。大規模で活気ある林業セクターや製材所、家具・建材などの分野で幅広い生産活動が盛んで、今後も大きく成長する可能性を持つ分野として期待が寄せられています。さらに、林業機械類のサプライからパルプを利用した包装の分野まで、産業の裾野が広がっています。

IDAプロジェクトマネージャー、インゲラ・メステルボより
日本の企業の皆様へ

“木”への愛着という共通点から、ダーラナ地域と日本のマーケットは相互に有益な関係をすでに築いています。1991年には、ダーラナ西部の小都市インショーン（Insjön）に日本企業の投資によりトーモクヒュース社が設立され、木造住宅の壁材、窓枠、窓扉の製造販売を行っています。製品の大部分は日本市場、特に東京に本拠地を置くスウェーデンハウスに輸出されています。トーモクヒュースは、スウェーデンでも木造住宅用プレハブ壁材の製造におけるリーディングメーカーのひとつです。また、モバイルサービスの分野では、ノルディスク・モバイル・テレフォン（Nordiｓｋ Mobiltelefon：NMT）が北欧の新しいモバイル・ブロードバンド・ネットワークを開始し、ブルレンイェ（Borlänge）のサイエンスパークと共同で、ノルディック・モバイル・センター（Nordic Mobile Centre:NMC）を創設しました。新しいCDMA2000ネットワークはスウェーデン、ノルウェー、フィンランドの99.6％をカバーし、モバイルの広い帯域幅を該当地域の企業や住民に提供していく予定です。NMCの専門家は、この新しいネットワークの技術的な試験・検証を担っており、さらに産業界や大学研究機関と共同で新しいモバイル・アプリケーションを開発する環境を、企業、学生、起業家に広く提供しています。こうした事例以外にも、ダーラナ地域は幅広いビジネス機会を日本の投資家の皆様に提供しております。IDAがビジネス設置の全プロセスをサポートいたします。ぜひ、ダーラナ地域への投資をご検討ください。

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